内容説明
高まるクラシック音楽ブームの陰で、市民とオーケストラの関係は、今、どうなっているのか。地域のオケ=名古屋フィルハーモニーに長年関わってきた著者が、クラシック音楽のより深い親しみ方、そして新たな時代の聴衆とオケとの関係を探ったエッセイ集。
目次
街にとってオーケストラとは何か
東欧の民主化と音楽家たち
「わが祖国」をめぐる本物はすごい考
戦争の世紀に生きた二人の作曲家、リヒャルト・シュトラウスとドミトリー・ショスタコーヴィチ
ロシア的ということ
二十世紀を駆け抜けた音楽家、ゲオルグ・ショルティのみごとな「さよなら」
オーケストラレパートリーに現れた流行現象―日本におけるマーラーブームとブルックナーブームについて考える
日本人のマーラー受容の内奥
バブル経済時代のアンチ・ヒーローとしてのブルックナーと朝比奈隆
「レコード芸術」の時代のオーケストラ
名古屋フィルハーモニーの変容
幻の名古屋=ウィーン・フィルハーモニー
名古屋フィルハーモニーと二人の音楽監督
音楽と風土―渡辺暁雄氏の思い出とともに
「終末」は二度必要か―モーツァルトの交響曲におけるリピートの処理をめぐって
演奏に「かくあるべし」はあるのか
ひとつのパンとしての音楽―「歌舞音曲自粛」の時代のオーケストラ 阪神大震災の記録として
著者等紹介
西崎専一[ニシザキセンイチ]
1948年北海道室蘭市生まれ。神戸大学大学院文学研究科芸術学芸術史専攻修了。名古屋音楽大学教授。南山大学、金城大学非常勤講師を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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