感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
65
『日本一心を揺るがす新聞の社説3』から、手に取った一冊。地方バス車掌・佐藤良二氏。光輪寺と照蓮寺の樹齢400年と言われた桜。消えた合唱の里の村人の心。写真が取り持つ縁が拓いた”道”、そして佐藤氏の心。武者小路実篤氏との面会も含め、終活の過程も陰陽両面が隠すことなく記されている点も氏の人間味。半生を懸けることができる何かを見つけた羨ましさがある反面、氏の家族の心境を少なからず慮る。ヒト・モノ・カネ、そして時間。あらゆる面での犠牲で成り立つ”道”。妻・八千代氏の苦悩は計り知れなかったはずと推察。2019/01/17
hatayan
27
名古屋と金沢を結ぶバス路線沿いに桜を植え続けた国鉄バスの車掌、佐藤良二氏の生涯を残された50冊近い手記から説き起こすもの。俳優の夢破れて失意のなか、ダムに沈むはずだった桜の老木が移植され蘇った生命力に感動。武者小路実篤との交流、西田幾多郎の言葉がきっかけで、なけなしの私財と少ない休暇を投じて、47歳で力尽きるまでに2000本の桜を植樹。人に夢を与えることを身をもって示しました。 中学校の教科書にも収録されたことのある作品。故人の遺志は「さくら道国際ネイチャーラン」というイベントに受け継がれている模様です。2019/04/16
とし
4
『金、金、金の時代。これに背をむけて、俺は、どれだけ人間らしく生きられるか、試してみたいのだ』 良二さん。今の僕なら、その気持ち解ります。 「さくら道国際ネイチャーラン」 今はまだ及ばないけど、必ず そこに選ばれる人間になり、貴方の想いを感じに行きます。2013/12/29
えすてい
3
2017年は佐藤良二の没後40年である。それに関して大々的な報道は全くされなかったし、さくら道国際ネイチャーランも例年通りの開催のようだった。ただ、4月2日に東海テレビ「スタイルプラス」で取り上げられたのは非常に幸運だったと言えよう。佐藤良二が没して40年が経ち、佐藤良二のことを知らない人も増えていることだろう。むしろ佐藤良二について書かれてる文献が殆どなく、この本が唯一の「資料」と言える。映画もTVドラマもDVD・ブルーレイでリリースされていない。この本があるだけであまりに十分なのだろうか。2017/12/21
tundokudake34
3
星6つ(特Aですよ)2009/06/10
-
- 和書
- ひとしずくの水