内容説明
笹百合は香りが強い。山地を好むので、平地ではよく育たない。六月の半ば頃、長さ八十センチくらいの細い茎の先に一個もしくは二、三個の花をつける。花びらは六枚、長さ十センチほどで細く、斑点も筋もなく淡いピンク色で先端は外側へしなやかに反りかえっている。楚々としたこの神秘的な美しい花が人目に触れることなく山中に咲いて散ってゆくと思うと造化の神を充みたくなる。(本書より)。故郷の残像を描く第一小説集。
著者等紹介
小川玲[オガワレイ]
岐阜県瑞浪市稲津町に生まれる。金城学院大学卒業。岐阜県の中学校、愛知県春日井市の小学校教諭を歴任。1999年春日井ペングループ会員、2007年より編集委員(2020年終会)。2009年~2020年、中部ペンクラブ所属。林間短歌会愛知支部代表。塔短歌会会員。中日短歌会会員。春日井市短詩型文学祭短歌の部審査員。林間賞。春日井市市長賞。中日短歌努力賞。「三岸節子を詠む」優秀賞。第七歌集『歳月へ』自費出版文化賞入選(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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