内容説明
バラエティーにとんだ文体が奏でる異色エッセー集。「毎日夫人」「西日本新聞」掲載の人気コラムも収録。
目次
1 スワ氏文集(弟のこと;爺さんと婆さんの会話;平成貧窮悶倒歌 ほか)
2 西向くサムライ・その他のエッセー(お父さん、お父さん;電子が生んだ「氷の世界」;夢のたまごかけごはん ほか)
3 うたかたの日々(空想のくちづけ;卒業証書は領収書?;僕は本が欲しかった ほか)
著者等紹介
諏訪哲史[スワテツシ]
作家。1969年名古屋市生まれ。國學院大学文学部哲学科卒業。2007年小説『アサッテの人』(講談社)で群像新人文学賞・芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hirayama46
5
主に新聞に書かれたエッセイを集めた一冊。パロディなども旺盛に取り入れてますが、まさか般若心経のパロディまで出てくるとは思いませんでした。朝日新聞名古屋版、豪気ですね。面白かったから良いのですが。躁うつ病はきっと、ぼくが想像もできないくらい大変なのだろうな……。2018/04/04
sukham
2
①スワ氏の物書き・作家としての論・意見・見解というよりも一人の個人としてのコラムとして私は読んだ。②「般若腹イタ心経」🌿痛快無比、ムヒは腹痛には効かない。梵語の謎解き?!仏陀則ち覚者は寛容ならん。③「体罰はない方がいいと思う反面、言葉の暴力まで根絶しろという世論の膨張には溜息が出る」…ほぼ同感。差別用語を規制しても差別若しくは差異・優劣そのものが雲散霧消するわけではない。生まれ落ちて与えられた「貧富・容姿・体力・(殊に)芸術的才能」🌿子供にはそもそも選択権が無い。④ニホンゴ…じいじ≠じじい i の位置2022/04/23
ひるお
2
連載エッセイ「スワ氏文集」「西向くサムライ」「うたかたの日々」と、その他のエッセイを収録した随筆集第2弾。名古屋文化圏で生まれ育った身には、名古屋周辺の文化、特に言葉が活字になっているというだけで感慨深く、どこかこそばゆい。軽妙洒脱で変幻自在なエッセイは笑えるだけでなく、現在の日本に関する鋭い指摘にも満ちている。実際に日々連載を楽しみにしていた媒体もあり、読んでいくと明らかになるご病気の事実には胸が痛んだ。早く元気になってなどとは口が裂けても言えない。スワ氏が少しでも楽に、生きやすく過ごせることを願う。2017/11/10
んちょちゃん
1
エッセイだけは未読のままだったと思いだし拝読。 おばあちゃんの話などコメディなものから、反戦、現代論などのシリアスなものまで多方面の話題を扱い、かつ、口語調、古文、辞書風など、これまた広い文体で織りなす一冊。 エッセイとして読み進めた最後の章、躁鬱の「躁」の中でしか書けない作家の、限りなく「鬱」に近い状態で(ある意味ニュートラルといえるか)書き出したのだと予測するが、 エッセイにしてはあまりに美しい旋律であり、まさに「泡沫」の最後を締めてきたなという印象。 恩師を思い、つい涙。2020/07/09
ネクサス
1
大好きな著者の、名古屋版の新聞に掲載されたエッセイを読んだ。ユーモアのセンスが感じられる日常雑感が多く、社説風なものは著者の主張がはっきりと伝わってきたが、いずれも巧みな言葉遣いのある文章で味わい深かった。自分は著者と年齢が近いので懐かし話で共感できたし、名古屋に住んでる方も楽しさは倍増されることだろう。 2018/09/15
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- 和書
- 現代アメリカの諸相