内容説明
昭和30年代初め、津軽の小学校に赴任した若き教師と漁村に生きる子どもたちが、心を一つにして追いかけた“夢”―。やさしさと強い意志が、私たちを元気にしてくれる、東北“鼓笛隊”ものがたり。
著者等紹介
久保田友博[クボタトモヒロ]
1948(昭和23)年、青森県生まれ。1971(昭和46)年、神奈川県立横浜翠嵐高校夜間定時制卒業。1974(昭和49)年、第20回「NHK青年の主張」青森県代表。第8回「青年の船」参加、オセアニアに。1975(昭和50)年、小泊村議会議員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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AKI
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昭和30年代、青森県小泊の小学校に若い丸井先生が赴任する。ブラスバンドの経験のある丸井先生は前任地の小学校でなし得なかった音楽教育を、この小泊の下前小中学校で実現しようと志す。赴任前の準備をかねた下前訪問から音楽教育への地域・保護者への嘆願と終始、地元の人たちの温かさ、人となりに読んでいて清々しさを感じた。今の時代モンスターペアレント等の問題山積の中、彼の貧しい時代・土地柄のなか、これが真の子を思う大人たちなのではないかと考えさせられた。古きよき日本を感じさせる作品だった2016/08/16
猿田彦
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地元紙に初の作品として紹介されていたので読んでみました。時は戦後、田舎の漁師まちで皆が貧しい生活を送るなか、子どもたちに音楽を通じてやる気や力を見出したいとの志を持つ丸井先生が、2か所目の赴任地である下前で、地域の協力を得ながら楽器を購入してもらい、みごとにクラス全員で鼓笛隊を作り上げるという話。地域交渉も含めすべてがとんとん拍子なので少し物足りなさもあったが、書き手の誠実さが登場人物すべてに伝播したようで、読んでいて気持ちがいい作品であった。2作目は少し障害があってというものを期待したい。2013/02/04