内容説明
「主体的・対話的で深い学び」を実現する授業改革のルーツを掘り起こす。「学びあいの授業」とは、授業で子ども同士が対話によって学びあうだけでなく、授業が本来の意味で主体的・対話的なものになるならば、小学校低学年の子どもからさえも教師は学ぶことができる、という意味での「学びあい」を含んでいる。このような子ども同士、そして教師も含めての「学びあいの授業」、すなわち「深い学び」の授業がすでに大正・昭和前期の授業実践の中に観られる事実を、明らかにした。
目次
第1章 子どもは学ぶ主体・問う主体(形式主義の克服と自己活動の重視;子どもを学ぶ主体にする発問;授業は教師と子どもの協働作業;語りかけ問いかける;一斉教授批判;子どもの学習過程を尊重)
第2章 「子どもから」の授業実践(子どもが求めるところを与える授業;独自学習と教師の指導性;尋1の指導は遊びの善導;学級で授業するということ)
第3章 清水甚吾の算術授業改革(算術「黒表紙」教科書への批判;自ら進んで取り組む学び)
第4章 塩野直道と「尋常小学算術」(「尋常小学算術」とカリキュラム開発;高木佐加枝による実験的授業の検討;清水甚吾の実践;国語読本「稲むらの火」)
第5章 生活綴方教師の授業改革(東井義雄の算数;峰地光重の郷土教育;高麗小学校での実践;「土臭教育」の実践)
著者等紹介
豊田ひさき[トヨダヒサキ]
1944年三重県に生まれる。広島大学大学院教育学研究科修士課程修了。教育学博士。大阪市立大学大学院文学研究科教授、名古屋大学大学院教育発達科学研究科教授、中部大学現代教育学部初代学部長等を経て、朝日大学教職課程センター教授。専門は、教育方法学、カリキュラム論、授業実践史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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