内容説明
西郷隆盛論の虚構を衝く。今日流に言えば“フェイクニュース”が絶えることのない西郷隆盛の歴史像。虚構が平然と騙られる原因は、歴史学者の誤った解釈や思い込み、そして何より、恣意的な史料への態度に帰せられる―。真実の西郷像をひもとき、幕末~明治史の真相に迫る。
目次
第1章 大家たちの論説(遠山茂樹と井上清;毛利敏彦;坂野潤治)
第2章 史料集の虚偽と踏襲(『西郷隆盛全集』;『大久保利通文書』から;宮島誠一郎日記から)
第3章 二次史料の不実と踏襲(「一の秘策」;『岩倉公実記』;『明治天皇紀』;親説の等譲渡それへの傾斜)
第4章 西郷遣使論を語る史料(「始末書」と呼ばれる史料;「最初のご趣意」;木戸の「征韓論」と西郷の主張;西郷の心事)
第5章 西南戦争を語る史料(桂久武宛明治九年十一月書簡;西郷を語る史料;西郷と当事者が語る史料)
著者等紹介
川道麟太郎[カワミチリンタロウ]
1942年神戸市生まれ。大阪大学大学院工学研究科修士課程修了。工学博士。元関西大学工学部教授。建築計画学・建築論専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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