内容説明
「鶴舞」は「ツルマ」か「ツルマイ」か、「今池」は「馬池」にあらず、本山は「ほんやま」が正解…。一次資料を丹念に読み読き描いた知られざる15のストーリー。
目次
鶴舞線は地獄行き?
愛知郡が消滅する日
桜通線は極楽行き?
適当につけられた村名
藤原師長が残した地名
東山線の池と山
地名になった土木技術者
六番町のなぞ
光が丘の秘密
羊と綿と紡績工場
あのクサイ町はいま
工場地帯だった白壁町
道徳の都市計画
激変した猪高村
ツルマかツルマイか
著者等紹介
杉野尚夫[スギノヒサオ]
1942年生まれ。名古屋大学工学部卒業、同大学院修士課程修了。名古屋市役所で都市計画、企画、文化行政などに従事。名古屋大学、中部大学、名古屋市立大学などで非常勤講師。現在、OASIS都市研究所代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yoneyama
6
名古屋に転勤できて2ヶ月。東区界隈の通勤路の歴史を中心に知ること多し。白壁から代官町が広い武家屋敷利用の明治〜昭和にかけ絵付け陶磁器の工業地帯だったとは。産業社長の洋館邸宅などもあり合点がいく。イエヤスの家来、平岩親吉由来の平田町、松井武兵衛と南京事件戦犯とされ処刑された親中派司令官・松井岩根の話、千種、瑞穂の(案の定適当な)命名、鶴舞公園が日露戦争後の熱田兵器廠の新堀川工事の土石盛り土場の話、おもしろかったです。こんど善光寺街道を春日井あたりまで20キロ一日で歩いてみたい。2020/10/11
tetsubun1000mg
4
好きな分野なのに、なんか変な感じがしていた。 多分既視感、やはり2年前に読んでいた。 久しぶりにやってしまった。 しかし住居が三重県から愛知県に代わって5年目となり、名古屋の地名がなじんできている。 ブラタモリの「名古屋版」をTVで見て、出版された本を読んだので非常に分かりやすい。 名古屋は難読地名が多い土地だが、その歴史を知ることができる興味深い本。 地名研究については、古地図、古文書、公式文書をよく調べて現地取材も重ねておられるようで、並々ならぬ意欲が伝わってくる。 2020/03/08
まちこ
1
けっこう前に図書館から借りて読み終わったのでうろ覚えですが 愛知県職員の黒川氏のエピソードが秀逸。堀川を庄内川と繋げ、新木津用水を掘り、生きながら神にされた県職員。未だかつてそんな存在があっただろうか、と筆者は説く。 100m道路の話、街の人はそんな道路なんてやれるわけねえって笑うのに、「まあ見てな、いつかこの道路を造っておいて良かったと思う日が来る。だからやるんだ」と言われのちにその通りになった。偉い人だった、と回顧するシーン。田淵寿郎? 千種区光が丘、実力行使で地名を変える話が面白い。2018/05/24