内容説明
「世界一」の鍛造リング。体を使って技術を身につけ、頭で考えるのは一番最後。「腕技脳」イズムとは。
目次
第1章 孤高の技(神業の域にある凄腕の匠たち;大企業と五分と五分で渡り合う ほか)
第2章 修羅のごとく(村の鍛冶屋の三男坊;父親の病気で暗転した暮らし ほか)
第3章 鉄人の道(運転資金のめど立たず;危機を救った日本精工の専務 ほか)
第4章 奇跡の果て(自動車産業と発展した鍛造業界;戦争で需要が増えた鍛造品 ほか)
著者等紹介
細井勝[ホソイマサル]
北國新聞での20年におよぶ記者生活を経て独立。雑誌『学都』の編集長の傍ら、執筆活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おーしゃん
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本書はありがちな自慢話的自伝ではない。卓越した技術力を持つ、無口な一匹狼である孤高の経営者から、何とかその秘伝を引き出そうと、記者が苦心して書いたルポである。そのため、随所に「聞き手の著者が苦労している」跡があり、巻末で著者自身もそのことを否定していない点が印象深かった。中卒叩き上げ、その身その腕一本で、能登の地に、大企業がこぞって頭を下げに来るような企業を作り上げた親方の力には畏れ入る。ただ、著者も指摘している通り、その技術力が「過剰品質」であったことは極めて皮肉。次世代にその技は伝わるのだろうか。2012/02/21