目次
序章
第1章 台湾原住民、芸術、制度(台湾原住民という人々;「原住民芸術」と制度的関心)
第2章 セデックとその集落(セデックという人々;「山の人」としてのセデック;集落の現在)
第3章 山地へ広がる織り(織りの環境;素材、道具、身体;社会的技術としての織り;技術移転をめぐる過去)
第4章 文化政策と制作現場(文化振興策の浸透;取り換えられる織り機;文化政策との交わりの多様性)
第5章 実演される技術(祭儀・歌舞の実演と集落;一時的な仕事としてのツーリズム;祭儀の復興とガヤ;歌舞を受け渡す)
終章
著者等紹介
田本はる菜[タモトハルナ]
1984年生まれ、沖縄県出身。2018年筑波大学大学院人文社会科学研究科博士課程修了。博士(文学)。専門は文化人類学、クラフト研究、台湾研究。現在、北海道大学アイヌ・先住民研究センター特任助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BLACK無糖好き
14
台湾の原住民族セデック族の人々の暮らしに焦点を当て、政府が進める原住民文化の保護や商業化との向き合い方を多面的に描いている。山地から山裾へかけての集落で営まれる伝統織物の技術の継承や、政府や民間組織が牽引する織物振興などに対するセデックの人々の多様な関わり方からは、原住民の伝統技術の「消滅から復興へ」といった大枠の文脈からは拾いきれない様々な諸相が垣間見える。地域での祭儀や歌舞の事例も取り上げている。コミュニティ内部の多様性など、ミクロな視点からの研究成果が窺える。2025/06/25