内容説明
近世日本北方史への新しい視点。日本の進出によって、アイヌ社会と文化および蝦夷地の自然・生態系・風景はどのように変化していったのか?ユニークな視点からの精緻な分析。
目次
序章
第1章 近世日本国家の北方への拡大
第2章 シャクシャインの戦い
第3章 アイヌの自治と従属の生態学
第4章 交易におけるシンボリズムと環境
第5章 サハリン交易―外交と生態系のバランス
第6章 千島交易―ロシアおよび境界問題
第7章 蝦夷地の伝染病・医療と変わりゆく生態系
第8章 征服における儀礼の役割
終章
著者等紹介
ウォーカー,ブレット・L.[ウォーカー,ブレットL.][Walker,Brett L.]
1967年米国モンタナ州ボーズマン市生まれ。1997年オレゴン大学大学院で博士号(歴史学)を取得後、イェール大学歴史学科助教授となり、現在はモンタナ州立大学準教授・歴史学科長。専攻分野は近世日本史であるが、これまでは主として近世のアイヌ民族史や日本環境史などを研究している
秋月俊幸[アキズキトシユキ]
1931年長崎県生まれ。東京教育大学文学部卒業。北海道大学附属図書館を退職後、北海道大学法学部講師を経て、現在、日露関係史や日本北辺地図学史の研究に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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志村真幸
1
江戸期に幕府/松前藩が進めたアイヌ政策について、生態学という側面から迫った研究書である。毛皮や鷹への需要が北海道への進出を支える原動力となり、フロンティアを広げていくとともに、アイヌへの支配が確立されていったという内容となる。 20世紀末から、イギリスの北米植民地/アメリカの西部開拓史に関する研究で多用されるようになった手法で、北海道やアイヌの場合にも、きわめて有効。 ただ、幕府の対外政策までが見出せるかは疑問に感じたし、先行研究の扱い方もひっかかる。 訳文は読みやすく、また実によく調べてある。 2021/09/12
げんさん
0
アイヌ民族が、いかに日本人により弱体化させられていくかの記録。交易で生活を変更させ、伝染病でとどめ。従順で温和という民族的特徴が悲劇を呼んだのか、回避したのか…
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