内容説明
本書は、1930年代英国を対象として、戦争と平和に関する当時の多様な論議を考察し、その全体像を明らかにしようとするものである。この時期の英国で平和論の主潮をなしていたのは、その前の20年代に引き続き、国際連盟を中心に国際の平和と安定を考える主張であった。それは、後に「宗教的魔力」とさえ評されることになるほどの影響力をもっていたのである。
目次
ウルフと「連盟信奉者たち」
別の大戦の脅威
平和論者の分裂
ファシズムの脅威とドイツの脅威
力に基づく和解の政策
集団安全保障体制の現実
平和主義の純化と対独宥和論
社会主義的外交政策
国際連盟失敗後の選択肢
文明への裏切り
現実主義者への駁論