内容説明
本書は、アメリカの政治と倫理の歴史に関する試金石を与える―。なじみ深いアメリカ史上の挿話がまったく違った表情を見せる。それは、私たちの時代に解決を迫られているヨーロッパ諸国民と「発展途上」諸国との劇的出会いの先触れとなったのであった。
目次
第1章 植民地時代
第2章 敵と味方 1776‐1816年
第3章 強制移住 1816‐1850年
第4章 最後の反撃 1840‐1876年
第5章 文化変容の強制
第6章 インディアン・ニューディールとその後
第7章 国家内の依存国家
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
テツ
22
ネイティヴアメリカンの受難の歴史。新大陸を『発見』した野蛮人たちに追い詰められ殺され住処を追われた彼らの歴史。現在とはかけ離れた道徳観が支配していたであろう過去の出来事を現在の視点で裁こうとは露ほども思わないが、まあ酷いよな。ネイティヴアメリカンの世界観や文化が好きなのでそうした思いも含まれてしまうけれど酷い。現在の居住区では自治も自由も許されているというけれど当たり前なんだよなそんなの。いつか彼の地を訪れて彼らや精霊と少しでも交れたら良いなと思います。2017/09/26
印度 洋一郎
5
アメリカ・インディアンの歴史を、ヨーロッパ人の接触から20世紀後半まで記述。兎に角、インディアン視点だと白人の強欲さと酷薄さがそのままアメリカ史という事になる。しかし、インディアン側も数世紀に渡って侵略を受けながらも、部族単位の利害や伝統的な価値観に拘って、みすみす不利な状況へと自分達を追い込んでいた。ヨーロッパ文明と相性の悪い価値観を持っていたことも悲劇だった。そして、現在のアメリカでは、インディアンの居留地を「国家内依存国家」と呼んでいることを始めて知った。部族の自治権を一定程度認めてるという。2017/06/05
剛田剛
0
黒人奴隷の受難やユダヤ人の受難は語られてもアメリカンインディアンやロマの受難は誰も語ろうとしない。 「成功した侵略」は語る口すら奪う。2017/09/26
john
0
アメリカ人は考え様によってはナチスよりも酷い事をしているが、更に悪い事にそれに対しての自覚が無い。この本にあるようなネイティヴアメリカンに対する行為だけでなく、他の大陸の人々を奴隷として酷使したり、無辜の市民の頭上に恐ろしい爆弾を落としたりということに対する反省が無いのである。まあ、日本の政治家達にもそんな気持ちは無いようなので、人のことは言えないのですが…2016/09/14
ダムダム
0
処女地、自由の国アメリカという与太話の裏にはこうした歴史がある。イスラエルとアメリカは基本的にあまり変わらない本質的にミリタリーな征服国家だ。これを読んだうえでロックの所有権論を読むとこれまた見え方が変わるだろう2012/02/05
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