内容説明
1940年に出版された『牧野日本植物図鑑』はそれまでの日本の近代植物学50年を牽引してきた“大牧野”による総まとめであった。同時に、決して牧野富太郎一人の手による著作ではなく、当時の植物学会の英知を結集した出版物でもあった。果たして現在まで後継版が愛され続ける牧野図鑑の魅力はいかにして生み出されたのか。世界的植物学者・牧野富太郎と、牧野が最も信頼を寄せた植物画家・山田壽雄による図鑑の原図から見えてくる、わが国の金字塔的出版物・牧野図鑑の成り立ちを、門外不出の図版の数々によって解き明かしていく。
目次
1 牧野富太郎と植物図(オナモミ;タテヤマギク;ウグイスカグラ;ミミカキグサ;ホザキノミミカキグサ ほか)
2 牧野図鑑と植物画家(コオニタビラコ;タカサブロウ;ヤブタビラコ;キバナガンクビソウ(ガンクビソウ)
アレチノギク ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アナーキー靴下
7
欲しかった牧野図鑑を購入したので、本書のサブタイトル「牧野図鑑の成立」に惹かれ、図書館で借りてみた。「○○図鑑」のバリエーションに頭がこんがらがってしまうが、とりあえずある時期以降の牧野図鑑は牧野博士一人が描いた植物図ではないということなのか…。何にせよ、本書に掲載された植物図はどれも素晴らしい。購入したのはコンパクト版図鑑なこともあり、美術的なクオリティとしてはこちらの圧勝だ。牧野図鑑刊行80年記念とするだけのことはある。2020/07/30
kaz
0
作者不明の図も散見されるなど、必ずしも全てが牧野氏によるものではないが、やはりその分類が植物の研究に果たした役割は大きいのだろうと思う。チャボホトトギスの項など、牧野氏に関するトリビア的な記述も面白い。図書館の内容紹介は『1940年に出版された「牧野日本植物図鑑」。その魅力はいかにして生み出されたのか。当時の植物学会の英知を結集した牧野図鑑の成り立ちを、門外不出の図版の数々によって解き明かす』。 2021/05/01
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