感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
rokoroko
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昭和27年から始まったラジオ番組の小説化。空襲の中数寄屋橋で出会った男女が数奇な運命にもてあそばれてすれ違う話。当時の情景が思い浮かばれて興味深い。なぜヒロインをいきなり佐渡へ向かわせたのか。相手は鳥羽だぞ。当然その風土も描かれ旅愁を誘う。売春を生業としていた女性やもく拾いのホームレスも描かれている。私が生まれた昭和33年には少しはよくなっていたけど上野の地下道にはまだまだホームレスいたのよね。旅情と恋愛を描いてどうしても出会えないのだからこれは面白いね。ヒロインが結婚してしまい夫の子を妊娠して終わり2025/06/24
緋佳
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東京大空襲の日、助け合い生き延びた男女が名も知らないまま、半年後に再会の約束をして別れる。約束の日には結局会えず、互いが互いを探しながら思いを募らせすれ違う様はとても焦れったいし、切ないですね。2016/09/16
寺内町亭小天狗
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”忘却とは忘れ去ることなり。忘れ得ずして忘却を誓う心の悲しさよ”という有名な言葉がある。テレビドラマや映画になっていて、あらすじは大体知っていた。しかしながら、実際、活字を読みたくて、古本屋めぐりをしてやっと入手できた。そのときは、よくぞまあ売れずに残っていてくれたものと思った。東京大空襲で銀座通りから数寄屋橋で初めて巡り会い、赤い糸で結ばれているにも拘わらず、真知子と春樹の幾度のすれ違いはなんという運命の悪戯か。あなたの「君の名」は、今の伴侶ですか。それとも、「君の名」はどこかに居るのですか。
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