内容説明
明日ありと思ふ心のあだ桜 夜半に嵐の吹かぬものかは―出家得度時に9歳の親鸞聖人が“はかない桜の花”に“明日をも知れぬ人の命”を重ねて詠んだとされる、真実信心のお勧めの歌。それは、本当に親鸞聖人が詠んだ歌だったのか?長い歴史の中にうもれた事実を探る!
目次
総説 親鸞聖人出家得度時の詠歌(親鸞聖人出家得度時の無常の詠歌はとりかえられた;本書の構成)
第1章 親鸞聖人と詠歌(親鸞聖人の出家得度時の無常の詠歌について;詠歌の伝承;古伝親鸞聖人の詠歌;『親鸞聖人伊呂波歌』について;聖人の遺跡における詠歌;『説法用歌集』などについて;『御伝鈔』の伝播と絵解き)
第2章 新展開 蓮如上人の詠歌と諸伝(蓮如上人の詠歌としての存在;『釈教玉林和歌集』;粟津義圭の『御伝鈔演義』一への見方を変える;義圭を遡る無常の詠歌資料『真宗勧化釈要鈔』;霜雪をもいただく;「古歌謡」;蓮如上人の詠歌と粟津義圭の用いた詠歌;親鸞聖人が無常の詠歌を詠まれたとする根拠;親鸞聖人は無常の詠歌を詠まれなかったとする根拠;『しんらん記』の影響か―言い回しに疑念)
第3章 親鸞聖人の伝承―「親鸞聖人御臨末の御書」についての一考察(伝承の発祥;伝承の収集と出版;批判の書;伝承のまとめ)
第4章 特異な傾向を示す詠歌(詠歌を伴った最初の親鸞聖人伝;越後七不思議と詠歌;古浄瑠璃「よこぞねの平太郎」;「北越之聖跡図」について;親鸞聖人伝の奇瑞談について)
後日談 蓮如上人のこころ
著者等紹介
中路孝信[ナカジコウシン]
昭和10年(1935)9月24日、滋賀県高島市徳善寺に生まれる。龍谷大学文学部仏教学科卒。滋賀県事務吏員。浄土真宗本願寺派専応寺住職。龍谷大学仏教文化研究所客員研究員。真宗連合学会元会員。瑞門会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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