内容説明
親鸞独自の往生論を、近代仏教学の実証的な手法を用いて考察し、「現世往生説」を主張する曽我量深以来の近代教学の矛盾点を鋭く指摘した、意欲的論考。
目次
第1章 世親の往生論(論題「無量寿経優波提舎願生偈」について;『浄土論』の著者世親;浄土と荘厳仏土;『浄土論』に説かれる五念門 ほか)
第2章 親鸞の往生論―「現世往生」は「即得往生」の誤解に基づく謬説(問題の所在;現世往生説の典拠;親鸞が「即得往生」を要注意の語とする理由;別時意説と親鸞の「即得往生」理解 ほか)
著者等紹介
小谷信千代[オダニノブチヨ]
1944年兵庫県生まれ。1967年大谷大学文学部卒業。1975年京都大学大学院修士課程修了。1998年大谷大学教授。1999年大谷大学博士(文学)学位取得。現在、大谷大学名誉教授。『倶舎論の原典解明 賢聖品』―共著(法藏館)鈴木学術財団特別賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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