内容説明
西本願寺史上最大の異安心論争“三業惑乱”の起源は、蓮如が明かした信心「たすけたまへとたのむ」にあった。東西両本願寺の中興の祖・蓮如を源泉とした流れで三業惑乱を見たとき、それは一宗派における一時の教義論争ではなく、蓮如から近代までの浄土真宗の思想の根幹にかかわる大問題であったことが浮き彫りになってくる―。
目次
第1章 「たすけたまへ」の浄土教
第2章 「たすけたまへと申す」考
第3章 三業(欲生)帰命説の伝統に関する考察―「たすけたまへ」の発語と「改悔」
第4章 「領解文」広布の経緯に関する研究―能化・功存と堂達・玄智
第5章 近世真宗教団と「改悔文」
第6章 小児往生論の研究―名代だのみを中心として
第7章 近世における小児往生論の総括―論争の意義と課題
第8章 真宗史上における越後法論の位置づけ
第9章 占部観順事件の〓末―三業惑乱後の信願論として
第10章 真宗教学史における占部観順事件の意義―教学的論点の整理とその影響
著者等紹介
井上見淳[イノウエケンジュン]
1976年、福岡県生まれ。龍谷大学准教授。中央仏教学院講師。浄土真宗本願寺派正恩寺衆徒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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