出版社内容情報
水とともに生きる──。
禹王の治水事業、古城の水利システム、黄河・長江の流態の変遷など、古来、水にまつわる神話・事蹟が豊富な中国の歴史は、水の歴史物語でもあった。
人々は水とどのように関わってきたのであろうか?
「洪水・治水の神話としては禹の奮闘がよく知られており、現在の中国には、愛国精神を普及する意味もかねて、ゆかりのあるあちこちの地方に禹の大きな像が作られている。未曾有の大災害を治めようとして、身体に相当なダメージをこうむりながら、粉骨砕身して事業を成しとげた禹の行動は、たしかに愛国精神の象徴のようなものであるが、それにとどまらず、世の中と人との関わり方としても、おおきな意味を持っている。日本にも、禹に学んで治水事業を行なってきた歴史を発掘し、禹について、もっとよく知ろうという民間の学会もできている。禹の治水の物語をはじめ、隣国・中国の水の問題は、けっして他人事ではないのである。本書を通して、中国の洪水や治水の物語、水利の歴史や治水にたずさわった人々の仕事ぶり、河川そのものの歴史などに親しんでいただければ、まことに幸いである。」(「はじめに」より)
【目次】
はじめに
第一章 洪水と治水の神話
第一節 中国の文明化神話
第二節 共工と鯀の神話
第三節 禹の治水神話
第二章 中国文明の発祥と古城と水利施設の発展
第一節 中国文明の発祥
第二節 古城の発展
第三節 水利施設
第三章 黄河と長江
第一節 黄河の流態と歴史
第二節 長江の流態と歴史
附 論 禹王と??碑
一 ??碑発見の経緯
二 ??碑の伝承と翻刻
三 ??碑の内容―楊慎の釈文
注
図版一覧
中国の水に関する著作目録と活動記録
あとがき
※姉妹書『中国の水の思想』
内容説明
洪水・治水の神話伝説、河川や都城の水利システム。水にまつわる神話・事蹟が豊富な中国の歴史は「水」の歴史物語でもあった。人々は「水」とどのように関わってきたのであろうか。
目次
第1章 洪水と治水の神話(中国の文明化神話;共工と鯀の神話;禹の治水神話)
第2章 中国文明の発祥と古城と水利施設の発展(中国文明の発祥;古城の発展;水利施設)
第3章 黄河と長江(黄河の流態と歴史;長江の流態と歴史)
附論 禹王と〓〓碑
著者等紹介
蜂屋邦夫[ハチヤクニオ]
1938年、東京都生まれ。東京大学教養学部教養学科卒業、同大学院人文科学研究科比較文学比較文化博士課程単位取得満期退学。文学博士。東京大学東洋文化研究所助手、助教授、教授、現在、東京大学名誉教授。専門は中国思想、とくに老荘思想、道教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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