内容説明
中国史に重要な位置を占め、日本との関係浅からざる洛陽。この地で展開した政治、都城、宗教などの諸問題をめぐる日本・中国の最新成果を通じて、「洛陽学」を提唱する画期的論文集。
目次
第1部 政治社会史上の洛陽(北魏の洛陽遷都の孝文帝の改革―改革の中国史上に占める位置をめぐって;北魏洛陽における権貴勢家第宅の奢侈の風始末と孝文帝の遷都改革;煬帝大業十一年の洛陽大朝会とその背景―隋末政治史の一側面;複都制再考―八世紀日本の造都と天皇権から考える;安史の乱における突厥王族阿史那氏の動向―洛陽出土「大燕阿史那明義墓誌」とその関連資料を中心に;「党争」の残照―李徳裕の洛陽帰葬とその周辺;隋・唐・五代洛陽宮の政治空間について;墓誌からみる唐代洛陽の万安山)
第2部 宗教空間からの洛陽世界(寺院・摩崖・石窟の位置からみた交通路―北朝後期~隋代、洛陽より東南へ;北周末より唐代初期における洛陽仏教の動向;流動する政治景観―「昇仙太子碑」と武周・中宗朝の洛陽政局;則天武后の明堂と嵩山封禅―『大雲経疏』S六五〇二を中心に;新出「岩和尚墓誌」に見る唐代洛陽の天宮寺;唐代洛陽大聖真観考;龍門広化寺善無畏三蔵真身考―中国唐末~北宋期におけるミイラ信仰について;“特別寄稿”日本の洛陽研究に関する一考察)
著者等紹介
氣賀澤保規[ケガサワヤスノリ]
明治大学文学部元教授。明治大学東アジア石刻文物研究所客員研究員(所長)、東洋文庫研究員、東アジア歴史文化研究所代表、清華大学特聘教授。専門は中国中世史(隋唐政治社会文化史)・東アジア国際関係史。京都大学文学部卒業、同大学院文学研究科博士課程修了、博士(文学)。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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