内容説明
日本の古代仏教が、その鎮護国家的役割や八宗体制の枠を超え、広く社会の諸階層や諸地域に浸透するのが中世であるが、本書では、その際、仏教はどのような人間観を説いて生き方を示唆し、具体的にいかなる社会的・宗教的機能を果たしたかを探る。この課題を論ずる基本資(史)料として、伝統的に禅宗内で密かに師から弟子へと相承伝持されてきた「禅宗相伝資料」、なかでも各種の宗教儀礼にうかがわれる霊魂観・他界観、身分社会特有の諸種の通念を直接反映させて成立した「切紙資料」を取りあげてこれを分析検討し、宗教史的側面から中世社会史の実態に迫る。
目次
序篇 禅宗史研究と禅籍抄物資料(中世洞門抄物資料の成立と展開;中世禅宗史研究・教団史研究と禅籍抄物資料)
第1篇 語録抄から門参・代語へ(語録抄について―峨山和尚誦抄『自得暉録抄』;美濃竜泰寺所蔵の代語・門参資料;肥前円応寺所蔵の代語・門参資料)
第2篇 中世曹洞宗における切紙資料の成立・相伝と分類(中世曹洞宗切紙資料の分類;叢林行事関係切紙;行履物関係切紙 ほか)
著者等紹介
石川力山[イシカワリキザン]
1943年宮城県に生まれる。74年駒沢大学大学院博士課程満期退学。81年駒沢大学専任講師に就任、同助教授を経て、91年同教授。97年急逝
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