目次
第1章 伽藍の整備
第2章 寺勢の興隆
第3章 門前町と末寺
第4章 幕末・維新の激動
第5章 多難の近代化
第6章 北法相宗の出発
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chang_ume
5
公式の『寺史』として異例の面白さと思う。清水寺の歩んだ歴史が物語のように展開されていく。この巻は大きく近世から近代にかけて、封建領主から観光寺院へと変化を強いられた清水寺のサバイバルヒストリーといえる内容。寺領133石という、意外にも少ない経済基盤の清水寺がいかにして存続していったのか。近世において、音羽の滝下で飲食を提供する塔頭群「滝の下」が、事実上の花街として栄えていたこと。一方で近代国家の宗教政策・土地政策によって、寺領没収の憂き目にあった清水寺が、試行錯誤のうちに再生していくさま。読み応えあり。2019/12/07