内容説明
唐宋を結ぶ五代十国時代にあって「一心」により中国仏教を統合し、その思想を『宗鏡録』一〇〇巻に著わした禅僧、永明延寿の全体像を本格解明。巻末には新出史料、『永明智覚禅師方丈実録』の翻刻と訳注を付す。中国仏教思想史に新たな息吹を伝える迫真の論考!
目次
第1章 人と著作(延寿の生涯;延寿の著作と思想 ほか)
第2章 隋唐の仏教解釈論と延寿(隋唐の三宗―教判の展開;中唐の宗密―教判の継承と拡張 ほか)
第3章 唐代禅の修証論と延寿(神会による「頓悟」の宣揚―修行による悟りからありのままの悟りへ;馬祖による「頓悟」の徹底―ありのままの悟りによる修行の棄却 ほか)
第4章 『宗鏡録』と宋代仏教(仏説にならぶ『宗鏡録』;『宗鏡録』からの仏教解釈論の受容 ほか)
第5章 後代における延寿像(蓮宗祖師としての延寿と「禅浄一致」;仏教再編者としての延寿と「教禅一致」 ほか)
著者等紹介
柳幹康[ヤナギミキヤス]
1981年、栃木県生まれ。2005年、東京大学文学部思想文化学科卒。2013年、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了、博士(文学)。(2008‐2010年、南京大学高級進修生)。現在、日本学術振興会特別研究員PD(駒澤大学所属)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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