内容説明
自然科学も宗教も「生きる意味」を教えてはくれない―科学者への道を断念し、神秘体験に出遭い、精神共同体の甘い罠をくぐり抜けてきた著者が、学者の肩書きをかなぐり捨てて、この時代を自分らしく生き抜く方法を考える。森岡「生命学」シリーズ第一弾。
目次
第1章 宗教なき時代を生きるために
第2章 神秘体験とは何か
第3章 癒しと救済の罠
第4章 私が私であるための勇気
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Bartleby
10
自身の傷口を切開しそれを観察しているような文章で、この本を必要とする人ほど読みながら痛みを感じるだろう。癒されたさと誰かに苦しんで欲しい願望、神秘体験への関心と権力欲、問題と直面しないための理解があるかのような態度...どの指摘も本当に容赦なく自分の中をえぐってくる。けれどもその痛みを抱えながら生きることが、見たくないものを見つめながら生きるということなのだと思った。2012/01/30
Sumiyuki
3
「僕が僕であるために勝ち続けなきゃならない/正しいものが何なのかそれがこの胸にわかるまで」この人はニーチェほど宗教を否定せず、超人ほどまではならなくていいけど、自分で考えることを大切にしている。煩悩の哲学。ゆっくりやってこう。2011/12/27
マイ
2
この世に生きている意味とは何か、死んだらどうなるのか、正しい生き方とは何なのか。そういう問いに対して宗教の扉しか開かれていないと言う、この我々の社会は貧しすぎる。だから生命学なのだ。無痛文明論をはじめとする今までの著書で言わんとしていることが「サリンを撒いた彼らと自分の何が違うのか」という切実な実体験を持って書かれており、肚に落ちた。2015/05/27
ゆうきんとき
2
終盤、心根深くに触れられて、ぐわっときました。恐ろしい人だ。2010/05/02
edamamekirai
1
第三章の尾崎豊論だけ。特にハッとされるような解釈は、「卒業」は死の歌であるというのを除いて、なかった。2018/05/26