内容説明
本書は良寛と貞心尼の相聞歌や宮沢賢治、マラルメ、イスラーム神秘主義の精華スフラワルディーなど、時空を超えて存在する多様なエクリチュールをテクストとして、あらゆる宗派・教義・神学の違いを抱越する一つの確かな知恵のありかを探り、静かで暖かく真剣で奥深い宗教的知恵のたたずまいを示す。読者をして胸のふくらむような自由な舞い出しに誘い、光と香気に満ちた神秘主義の秘密を鮮やかに解明する。
目次
神秘主義のエクリチュール(感覚の特性づけ;感覚の陰影;ひとつの修行道;放下の感覚;舞いの美学)
存在のイマージュについて
自己犠牲を超えて―佯狂と好奇心
葦笛の唄
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Shioko Kodama
2
どこかで聞いたような?と思ったが、「悪魔の詩」を翻訳してホメイニ師の死刑判決の対象となり、大学構内で暗殺された方ではないか。しょっぱなからその口の悪さ?に驚いたが、権威や世の風潮を憚らず発言し行動する方だったのだろうか。本論とは直接、関係ないが、カトリック信者である某大教授の歯切れの悪さに苛立ち、ある司祭を「嘘つき泥棒神父」と呼ぶ毒舌には勢いがある。しかし自身のライフワークであるイスラム神秘主義には傾倒?と尊敬がひしひしと感じられる。道元の「典座教訓」云々の箇所では、チト言いたいこともあるが…。法蔵館刊。2015/03/05