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内容説明
異国の仏が姿を変え、そのまま神として日本に現われたのではない!太陽神、男神、女神とさまざまに変貌するアマテラスを手がかりに、従来の「神仏習合」「本地垂迹」「神国思想」などの見方に画期的な変更を迫る気鋭の書き下し論考。
目次
プロローグ 神仏交渉論への視座
第1章 祟る神から罰する神へ
第2章 “日本の仏”の誕生
第3章 コスモロジーの変容
第4章 変貌するアマテラス
第5章 日本を棄て去る神
エピローグ ある個人的な回想
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
52
【国家神とは言いながら、祟り神としての風貌も漂わせた古代の天照大神は――】古代から中世に焦点をあわせ、神仏がそれぞれ劇的に変貌していく様相を明らかにする。童子、男神、女神と様々に変貌するアマテラスを手がかりに、従来の「神仏習合」「本地垂迹」「神国思想」という諸概念の抜本的な再検討を迫る書。巻末に、註および原史料。2000年刊。<私幣禁断の制によって天皇以外の人々との関係を遮断されていた古代の天照大神は、中世に入ると日本の主宰者(「日本国主」)とされ、各階層に共有される開かれた信仰の対象へと変貌した>と。⇒2025/02/25
Toska
18
長谷寺にある童形の不思議な天照大神像から始まって、古代・中世日本における神仏観を縦横無尽に語り尽くす。彼岸の仏と此土の仏神が織り成す壮大なコスモロジー。アマテラスはその中のワンオブゼムでしかない。明治政府にはこれが気に食わず、廃仏毀釈でぶっ壊そうとしたのもよく分かるが、身の程を知らない暴挙であったとしか。中世の神仏の序列は起請文での配列に表現されている、というのが新たな発見だった。2025/02/28
Ikkoku-Kan Is Forever..!!
4
何かのラジオ番組で宮台真司が、娘に特殊な教育を施したら、あらゆるところに八百万の神をみるようになった、という衝撃的な事実を告白していた。ボクも『ゲゲゲの鬼太郎』が好きだったので、言わんとすることは分かるけれど…と思いつつ、消化しきれないでいたら、宮台真司と同じこと言ってる人に出会ってしまった。佐藤弘夫である。エピローグ「ある個人的な回想」が衝撃的すぎる一冊。さすが東北出身(偏見?)と思った一冊。詰まるところ、オウムのような「神秘主義(オカルト)」現象は、現代人の免疫力のなさの象徴ということか。2020/01/04