出版社内容情報
日本独得の〈戒名〉制度にはじめてメスを入れ大反響となったベストセラーに、バブル以降の変化を見据えて大幅に書き改めた、待望の増補新版!〈戒名〉制度を問い直すことにより、日本仏教が抱える様々な問題を照射した衝撃の書。
内容説明
死語の名前必要ですか?タブー視されてきた〈戒名〉制度に初めてメスを入れた書に、バブル崩壊以後の動向を見据えて大幅に書き改めた増補新版。
目次
第1章 死者を葬る
第2章 戒名の現象学
第3章 戒名の社会学
第4章 戒名の歴史学
第5章 戒名の宗教学
第6章 権力としての戒名
第7章 戒名の行方
著者等紹介
島田裕巳[シマダヒロミ]
1953年東京生まれ。1984年東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。日本学術振興会奨励研究員、放送教育開発センター助教授、日本女子大学文学部教授を経て、東京大学先端科学技術研究センター特任研究員。文筆家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
rivaner
1
一般的な日本人としての宗教観しかないため、戒名とはそれほど重要なものとは考えていないが、ほぼ社会システムに組み込まれている仏式の葬儀というものを完全に排除できない以上、戒名を完全に否定してしまうことは出来ないのかも知れない。少なくとも大多数の日本人には。寺というものは本来檀家のものであり、寺の維持のために布施は当然必要なものだという考え方は今更ながら納得。要は払わせられたという感覚を持ってしまうところが問題なのだなと感じた。2014/05/09
ともたか
0
戒名はいるのか、いらないのか。 未だに不明。 私が死んだ時にはどうなるのか。 それを決めて置かなければならない。 めんどくさい。2014/10/27
dikoku
0
同じ著者の「葬式はいらない」の、より詳細なタネ本。何故か分からないまま続けられている○周忌といった法事、戒名、お坊さんによる葬式。実はどれも「本来の仏教の教えとはズレた、日本独自のしきたりにすぎない」と解き明かす。まず浄土宗で臨終時の念仏が重視され、極楽・地獄の概念で日本人の死生観が転換。その後江戸幕府が人口管理に寺を利用して檀家制度が始まり、仏式葬式と法事が義務化。戒名は社会的地位と寺への貢献度で差別化。家単位だったので先祖崇拝へと発展。現代では檀家減少のため、寺院存続を高額の戒名代に頼っているため。2010/10/27