内容説明
来世は牛か蛇か、それとも地獄か。なぜ、なんのために、僧・景戒は、怪異譚を収集し、日本最古の仏教説話集を編んだのか。自らの仏道修行として因果応報と転生の論理で読み替え、あるべき僧の姿を追い求めた景戒。奈良朝から平安初期の転換期を生きた人々の心性を読み解く注目の書。
目次
第1章 よみがえりと転生
第2章 因果応報と“やまひ”
第3章 病気治療と山林修行―『日本霊異記』の密教的信仰
第4章 “夜”を生きる
第5章 仏像の霊異
第6章 因果と“はぢ”
第7章 景戒と夢解き―実践者のテクスト
第8章 『日本霊異記』という“時空”
第9章 僧の境位と現報の語り―『日本霊異記』の目指したもの
第10章 悪女と救済―『法華験記』下巻一二九話
第11章 神仏習合研究史ノート―方法的枠組みの転換へ向けて
著者等紹介
武田比呂男[タケダヒロオ]
1959年生まれ。明治大学大学院文学研究科日本文学専攻博士後期課程満期退学(文学修士)。現在、十文字学園女子大学教育人文学部文芸文化学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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