内容説明
仏が奏で、神が舞う。一四〇〇年にわたり王権を支える儀礼式楽として続いてきた日本の雅楽。天王寺舞楽の伝承者でもある著者が、雅楽を通して日本固有の宗教コスモロジーを探索する。
目次
雅楽のコスモロジー
「雅楽」と祭政
日本人の宗教的心性の根底―アニミズム
仏教の導入と外来音楽―聖徳太子が結びつけた仏教と「伎楽」
東大寺大仏開眼供養会の意義―聖徳太子の仏教音楽理念の実現
雅楽のコスモロジーの端緒としての八幡神
日本の雅楽の形成
浄土思想と雅楽
往生伝と往生講式―音楽成仏思想
内侍所御神楽儀―神道的エートスの核
楽所と楽家の成立と盛衰―近代までの雅楽伝承者
神仏習合と雅楽の風景―中世・近世の雅楽のコスモロジー
神仏分離と国家神道―「近代」雅楽への変異
著者等紹介
小野真龍[オノシンリュウ]
1965年、大阪木津の願泉寺に生まれる。幼少より四天王寺「聖霊会の舞楽」の童舞の舞人を務め、天王寺楽人の道へ。京都大学文学研究科博士課程(宗教学)を修了。宗教哲学の研究で京都大学博士(文学)となり、2008年より2016年まで相愛大学人文学部特任准教授を務める。他方、雅楽演奏者としても研鑽を積み、1993年より天王寺舞楽を伝承する雅亮会の会員となり、聖霊会をはじめとする四天王寺の由縁の舞台や、住吉大社、巖島神社をベースに、雅楽演奏・演舞活動を行う。またフェスティバルホールでの雅亮会の定期演奏会にも毎年参加し、ヨーロッパ各国での海外演奏経験も豊富である。雅亮会の後継者育成機関や、相愛大学、浄土真宗本願寺派勤式指導所等で雅楽実技を指導している。現在は、浄土真宗本願寺派願泉寺住職、天王寺舞楽協会常任理事、雅亮会副理事長(2019年12月より)。京都大学大学院や龍谷大学大学院で、雅楽の背景をなす日本思想や、仏教音楽論、宗教儀礼論を講じている。主な著書に『ハイデッガー研究』(京都大学学術出版社:日本宗教学会受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
水紗枝荒葉
おしょうゆ
-
- 和書
- どんまい魂(スピリッツ)