内容説明
経済基盤の脆弱な京都の中小規模の寺社が、自らの存続をかけてとった“戦略”の歴史と、その背景にあった近世都市京都の宗教的需要を読み取り、近世都市が此岸と彼岸の両面で抱えた諸問題をあぶり出す。
目次
ある岩の歴史―序にかえて
第1部 都市の信仰と神社(京都の町と神社―一六・一七世紀における菅大臣社の動向から;一八・一九世紀の菅大臣社と門跡・「宮寺」・町;近世中期における祇園社本願と「同宿」;一九世紀京都近郊の神社と神人―日向神明社にみる;消えた「迷子社」とその信仰史)
第2部 寺院と葬送・墓地(近世阿弥陀ヶ峰の火屋と良恩寺―火葬施設・寺・町;近世京都における無縁墓地と村落・寺院;無縁墓地「南無地蔵」考;空也堂・鉢叩きの大坂;清水坂の「坂の者」と愛宕念仏寺)
一八世紀京都の都市と宗教
著者等紹介
村上紀夫[ムラカミノリオ]
1970年愛媛県生まれ。大谷大学大学院文学研究科博士後期課程中退。博士(文学)(奈良大学)。現在、奈良大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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