内容説明
家が崩壊して家族形態も変わったということは、民俗学でいう「先祖」が死んだということである。「先祖」は「家」によって継承されてきたからである。先祖は死んだが、死と死者は眼前にある。激しいまでの社会変化と価値観の変化であるが、それでもこの現代社会のなかで何かを見いだし、人は生きていかねばならない。風前の灯火となった真宗門徒の信仰生活と、激変する葬儀形態を追い、再生への道を探る。
目次
1 真宗の暮らしを訪ねて(正月の火と仏壇のお灯明;彼岸参りと門徒の墓;彼岸団子と法名軸 ほか)
2 真宗門徒の力(東本願寺両堂と尾張・三河門徒;ゴボウサマ(御坊様)と門徒
飢えても死に―蓮如上人と道宗 ほか)
3 葬儀の崩壊と再生(「死」の伝承文化を見つめて;死は誰のものか;不安に立つ・尾張の土徳―葬儀の崩壊と再生 ほか)
著者等紹介
蒲池勢至[ガマイケセイシ]
1951年愛知県生まれ。同志社大学文学部文化学科・同朋大学文学部仏教学科卒業・博士(文学)。現在、真宗大谷派長善寺住職・同朋大学仏教文化研究所客員所員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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