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内容説明
清沢満之が晩年に唱導したとされる思想「精神主義」とは、いかなる思想だったのか―。従来清沢のものと見なされてきた晩年のテキストの一つ一つに分析のメスを入れるとともに、弟子たちによって書き残されている回想文や清沢の書簡などの二次資料をもとに、「精神主義」と呼ばれてきた思想の謎と本質に迫る。
目次
第1章 清沢満之と『精神界』(「宗教的信念の必須条件」をめぐって;批判の嚆矢 ほか)
第2章 「雑誌『精神界』所収論文」を検証する(『精神界』分析のための視点;各論の分析および考察 ほか)
第3章 それぞれの「精神主義」(暁烏敏の文と思想;多田鼎の文と思想 ほか)
第4章 清沢満之の「精神主義」―暁烏敏との関係を中心に(「精神主義」再考にあたって;清沢満之と暁烏敏―師弟の出会い ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おおにし
9
浄土宗の教えを他力思想としてまとめ上げた清沢満之という哲学者に興味がある。「精神主義」というのは晩年の清沢満之が行き着いた思想であると言われてきたが、本書で明らかになったように暁烏敏などの弟子たちが師の原稿を改ざんしていたという。清沢満之自身もそのことを知っていたがそれを咎めるのでもなく自著と認めていたようだ。「精神主義」はどんどんエスカレートして戦争賛美へと向かっていったのに何故止めなかったのか。ともかく、清沢満之を読むのなら最近編集された著作集を読まなければならないということは分かりました。2014/02/11
千本通り
4
宗教から恩寵主義を排して哲学として捉えようとしたのが清沢満之である。ところが彼の晩年の雑誌「精神界」を読むと、その論理の甘さや思想的欠陥、一貫性のなさが目につき、やりきれない気分になったのが筆者だった。筆者は弟子たちが書き残した回想文や日記等の記録、清沢の自筆原稿と雑誌「精神界」に掲載された文章の違いをチェックして、そこに4人の弟子たちの思惑が大きく反映されていることを知る。この弟子の文とその思想にまで研究は及んでいて、なぜ清沢は彼らの思想で書かれた文の掲載を認めたのかまで踏み込んで書いている。良著。 2024/07/18
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