内容説明
日本の戦没者慰霊や道徳教育、沖縄の聖地巡礼、イングランドの女神運動、カザフスタンの聖者崇敬、チベットの生態文化、中国の儒教…これらは果たして「宗教」か、あるいは文化的なムーブメントか?今日の世界に滲出する宗教性へ。
目次
今、宗教をめぐる何が問題なのか
第1部 宗教研究の歴史と現在(宗教研究と日本の宗教人類学;宗教人類学を歴史化する―霊的存在をめぐって;宗教的なものが滲出すると感じるのはなぜなのか―霊長類学・道徳心理学・進化生物学による宗教論)
第2部 革命思想の経験(儒教と祖先祭祀に見る現代中国の「宗教性」;「生態文化」をめぐる政治と宗教―現代チベットの環境主義運動から;聖者になる過程―カザフスタンにおける近代化の経験とイスラーム;コミュニティへの希望と宗教団体―スロヴァキアにおける社会貢献活動の展開;イギリス、グラストンベリーの女神運動―宗教、フェミニズム、ペイガニズムの狭間で)
第3部 日本的経験(戦後慰霊を再考する―政教分離フィルター濾過後の残留宗教性;日本の人権受容における宗教文化的土台;ヴァナキュラー・スピリチュアリティ:沖縄における聖地経験と“地域”のあいだ;台湾における宗教的実践と政治―多義的な日本像を介して)
宗教性の領域で考える
著者等紹介
長谷千代子[ナガタニチヨコ]
1970年生まれ。専攻は宗教研究、文化人類学。九州大学大学院比較社会文化研究院准教授
別所裕介[ベッショユウスケ]
1972年生まれ。専攻はチベット仏教と現代社会。駒澤大学准教授
川口幸大[カワグチユキヒロ]
1975年生まれ。専門は文化人類学。東北大学大学院文学研究科准教授
藤本透子[フジモトトウコ]
1975年生まれ。専攻は文化人類学。国立民族学博物館人類文明誌研究部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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