内容説明
近代朝鮮に隠然と影響を持ち続けた予言書『鄭鑑録』。その成立・受容史などの基礎的考察とともに、同書を教理的モチーフとして成立した民衆宗教の動向を、日本の諸勢力との交流・提携過程に注目しつつ客観的に整理。「類似宗教」に位置づけられた植民地朝鮮の民衆宗教が抱えたジレンマと、様々なアクターの多様な思惑が絡み合い、「支配/被支配」という視点からは捉えられない「植民地近代」の位相を浮き彫りにする。
目次
序章
第1部 植民地朝鮮の終末思想―近代の予言と『鄭鑑録』の誕生(一九〇〇~一九一〇年代の予言と朝鮮の民衆;規格化される予言―植民権力と『鄭鑑録』公刊本の誕生)
第2部 植民地朝鮮における民衆宗教の展開(植民地朝鮮における「類似宗教」の課題―普天教の活動を中心に;植民地朝鮮の民衆宗教と日本仏教―新都内の真宗同朋教会と金剛大道を中心に)
終章
付録『新都内写真』
著者等紹介
朴海仙[パクヘソン]
1987年生。2011年韓国淑明女子大学校英文学科卒業。2014年同大学校大学院日本学科日本学専攻修士課程修了。2020年立命館大学大学院文学研究科日本史学専攻博士課程修了。博士(文学)。日本学術振興会特別研究員(DC2)、立命館大学文学研究科初任研究員を経て、現在は同大学専門研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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