出版社内容情報
ロマンと情熱に満ち溢れ、瀬戸内寂聴をはじめとする多くの文化人を魅了してきた「梅原日本学」。その展開に仏教はいかなる着想を与えたのか。
仏教思想家・梅原猛の大胆かつ独創的な思索の源泉に迫った、待望の本格的思想評伝!
【目次】
序 章 仏教思想家として梅原猛を読む
第一章 闇から笑いへ:哲学修業時代
第二章 仏教の思想:上山春平との共同研究
第三章 古代史から人類哲学へ:独自路線の模索
第四章 「日本学派」の思想:国際日本文化研究センターの人脈
第五章 空海から法然へ:仏教研究の転換
終 章 顕密体制論と神仏融合:近年の研究との比較
あとがき
内容説明
ロマン満ち溢れた「梅原日本学」、その展開に仏教はいかなる着想を与えたのか。待望の本格思想評伝!
目次
序章 仏教思想家として梅原猛を読む
第1章 闇から笑いへ―哲学修業時代
第2章 仏教の思想―上山春平との共同研究
第3章 古代史から人類哲学へ―独自路線の模索
第4章 「日本学派」の思想―国際日本文化研究センターの人脈
第5章 空海から法然へ―仏教研究の転換
終章 顕密体制論と神仏融合―近年の研究との比較
著者等紹介
菅原潤[スガワラジュン]
1963年宮城県仙台市に生まれる。1996年東北大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。佐賀大学助教授、長崎大学教授を経て、2015年より日本大学工学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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trazom
100
没後三年半、梅原猛先生を再評価する時期かもしれない。仏教、古代史、アイヌ史、人類哲学など幅広い領域で数々の新説を発し(法隆寺論と柿本人麻呂論は衝撃的だった!)、素人の読み手には頗る面白いが、哲学や歴史学の学界からは完全に異端視された先生の業績とは一体何だったのか。本書は、先生の仏教思想に注目。悪人正機説の偽善性を猛烈に非難し、草木国土悉皆成仏の天台本覚思想に目を向け、そこから発展した浄土思想を通じて日本学を展開する。西洋文明と対決しつつ、しかも、筋金入りの神道嫌いという意地に貫かれた梅原先生の生涯である。2022/07/26
ご〜ちゃん
1
自分があまりに知識がないばかりに、この本を読んで疑問に思うこともないし、何かの役に立ったとも言えない。一つ所にとどまらず、好奇心のおもむくままに活動し人を巻き込んでいくエネルギー。梅原猛さんは情熱と行動力が溢れる人だったと思う。2024/02/03
Go Extreme
1
仏教思想家として梅原猛を読む: 和辻哲郎との違い 顕密体制の観点の欠如 闇から笑いへ: 感情への注目 流転のロゴス 笑いの6つの定式 九鬼周造との関係 仏教の思想―: ニーチェ的な仏教 無の思想の正体 古代史から人類哲学へ: 陰謀論への傾斜 多神教対一神教 近代の超克との類似性 「日本学派」の思想: 反ナショナリストの気概 空海から法然へ―仏教研究の転換: 法然を中心とする日本仏教 浄土を信じない現代人 諸刃の剣としての本覚思想 顕密体制論と神仏融合―近年の研究との比較: 哲学者<思想家 伸仏融合へ2022/07/05