出版社内容情報
小林 惇道[コバヤシ アツミチ]
著・文・その他
内容説明
近代最初の対外戦争である日清・日露戦争。公権力による庇護を失い、存立基盤が揺るがされた仏教教団にとって、それらの戦争は、国家との関係性を再構築する好機として映っていた。そして仏教教団は、国家的な役割を担うべく積極的に「戦時事業」を推進していく―。真言宗・浄土宗教団による「戦時事業」を主題に、両教団が祈祷や追弔という前近代から続く宗教的伝統を活用しつつ事業を展開していくさまを描き、さらにその展開過程から、前近代とは異なる「近代仏教教団」の様相を浮き彫りにする。維新期の宗教政策から一段と大きな影響を蒙り、そこからの回復を目指した2つの教団に着目し、日本の仏教教団にとって「近代化」とは何であったのかを、いま改めて問い直す。
目次
第1部 諸制度と「戦時事業」の全体像(明治期の宗教制度と仏教教団の動向;日清戦争における真言宗・浄土宗の「戦時事業」;日露戦争における真言宗・浄土宗の「戦時事業」)
第2部 「戦時事業」の具体相(近代真言宗の戦死者追弔と組織再編―護国寺忠霊堂建設をめぐって;内務省提出文書から見る仏教教団と国家―浄土宗東京忠魂祠堂建設を中心に;浄土宗忠魂祠堂の地域的多様性―その重層的性格をめぐって;日露戦争期における仏教界の戦死者追弔とその評価―仏教系メディアを中心に;「戦時事業」から見る仏教教団の「近代化」)
著者等紹介
小林惇道[コバヤシアツミチ]
1983年東京都に生まれる。2006年慶應義塾大学商学部卒業、2020年大正大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。現在、淑徳大学・東洋大学・亜細亜大学非常勤講師。専門は宗教学、近代日本仏教史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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