内容説明
神仏分離で何が起きたか。宗教学・歴史学の第一線で活躍する研究者らと現場の僧侶が、それぞれの視点と立場から、幕末維新期の一大トピックである「神仏分離」をめぐる諸相を多角的に問い直す。
目次
基調講演 明治初期の宗教政策と国家神道の形成―神仏分離を中心に
発題1 中世における神仏習合の世界観
発題2 近世史研究からみた神仏分離
発題3 現代の宗教者から捉えなおす神仏分離と宗教的寛容
特別寄稿 狂言と神仏習合 山伏狂言「梟」を中心に
討議
総括 神仏分離をどう考えるか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はるたろうQQ
1
近代以前の寺や神社を考える時、どうしても今の神仏分離を前提として理解しがちで、神仏習合が重要であることは最近意識したのだが、神仏習合も一筋縄では行かず、時代や地域を考慮しながら細かく見るべきことが説かれている。本地垂迹説についても、時代と共に、単に仏が上で神が下と言うのではなく、民衆の中では仏は遠く、身近な存在として神が認識されていたという。浄土真宗は一神教に近い形で神仏習合せずにいたので、神仏分離によっても影響を受けなかったという。シンポジウムの書籍化したので全体としてはテーマが拡散して漠然とした印象。2025/06/29
Go Extreme
1
https://claude.ai/public/artifacts/d396553f-e7d1-4eb2-8904-d0f1960dcc64 2025/06/21
kazuya
1
卒論・執筆中論文のテーマとなる「神仏分離」をまとめた一冊。 従来の先行研究とは異なり、近世以前の視点も踏まえたまとめられている点が面白い。 シンポジウムに行ければよかったのに…2022/09/29
わ!
0
それでもこの「神仏分離」はとても難しいのである。何しろこの「神仏分離」は国(昔の日本の都道府県に近い国)によって全然見え方が異なるのである。「神仏分離」で発生する「廃仏毀釈」の運動は、江戸時代までの様々な人たちが、寺院界の人にどれだけ抑制されていたかによって異なるのである。そういう意味では、興福寺の一寺独裁が続いていた大和国などは、反発が大きかったのである。2020/05/30
katashin86
0
山口で開かれた「神仏分離150年シンポジウム」をもととした本。今に続く日本の宗教観を形成する大画期といえるが、やはりそれ以前の、習合的な在り方をまず知る必要があると痛感。2020/06/09
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