内容説明
「日本主義」を媒介したことで、仏教思想はどのような表現が(不)可能となったのか。また仏教者・知識人たちは、「日本主義」に染められていく時代といかに対峙し、いかに仏教を再編していったのか。支配的イデオロギーに再解釈を加えていくさまや、仏教思想の領野を確保すべく取り組んだ苦闘の軌跡を尋ね、「戦争責任論」とは異なる視座から、“仏教思想と日本主義”という古くて新しい問いへと迫る。
目次
第1部 親鸞・聖徳太子(真宗大谷派の教学と日本主義―曽我量深を基点として;真宗本願寺派の教学と日本主義―梅原真隆を通して;聖徳太子と日本主義―金子大榮を中心に;『原理日本』と聖徳太子―井上右近・黒上正一郎・簑田胸喜を中心に;民族主義の体系と形式―三井甲之とその門弟)
第2部 日蓮・禅(日蓮主義と日本主義―田中智学における「日本による世界統一」というビジョンをめぐって;日蓮主義と日本主義との衝突―日中戦争期における東亜連盟運動;鈴木大拙『日本的霊性』再考―仏教を超える新「日本宗教」;臨済宗と「日本精神」―関精拙、古川堯道を中心に;禅・華厳と日本主義―市川白弦と紀平正美比較分析を通じて)
第3部 教養・修養・転向(本居宣長と日本主義―暁烏敏による思想解釈を通して;日本回帰の思想構造―亀井勝一郎の場合;吉川英治と日本主義―修養する武蔵と親鸞;日本主義の主体性と抗争―原理日本社・京都学派・日本神話派;親鸞とマルクス主義;佐野学の思想経験を中心に;まとめと展望)
著者等紹介
石井公成[イシイコウセイ]
1950年生まれ。専攻は仏教とその周辺文化。駒澤大学教授
近藤俊太郎[コンドウシュンタロウ]
1980年生まれ。専攻は仏教史学。本願寺史料研究所研究員、龍谷大学非常勤講師
名和達宣[ナワタツノリ]
1980年生まれ。専攻は日本近代思想史・真宗学。真宗大谷派教学研究所所員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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