内容説明
西洋が提示する新たな世界観は、日本仏教に何をもたらしたのか?日本近代仏教の革新者たち12名と西洋との交錯から、仏教再編の歴史を様々な局面で読み解き、日本仏教にとって「西洋化」とは何かを、本格的に問うた初の試み!
目次
1 伝統と国際化(東陽円月―非公式ハワイ開教僧たちの師匠;前田慧雲―本願寺派宗学と西洋の対峙)
2 留学と翻訳(南条文雄―近代仏教学と宗学のはざまで;高楠順次郎―日本人の近代仏教学;木村泰賢―大乗仏教のゆくえ)
3 科学との対話(島地黙雷―近代日本における科学と宗教;原坦山―身理的禅と実験の探究;釈雲照―戒律復興への見果てぬ夢;忽滑谷快天―常識宗と宇宙の大霊)
4 普遍性と固有性(釈宗演―「普遍主義」との戯れ;中西牛郎―「新仏教」の唱導者;小泉八雲―怪談の近代)
著者等紹介
嵩満也[ダケミツヤ]
1958年生まれ。専攻は真宗学・宗教学。龍谷大学教授
吉永進一[ヨシナガシンイチ]
1957年生まれ。専攻は宗教学。舞鶴工業高等専門学校教授
碧海寿広[オオミトシヒロ]
1981年生まれ。専攻は宗教学・近代仏教。武蔵野大学准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Sin'iti Yamaguti
2
明治初期に、日本仏教が西洋(キリスト教、近代科学、近代仏教学)と出会うことにより、いかに自己変革を迫られ、いかに対応していったかを、12人の仏教者や思想家の事績や思想の検証を通して概観する。12人とは、東陽円月・前田慧雲・南条文雄・高楠順次郎・木村泰賢・島地黙雷・原坦山・釈雲照・忽滑谷快天・釈宗演・中西牛郎・小泉八雲である。最後の八雲だけは、ちょっと趣旨が違うように思う。 今日、日本仏教は再び自己変革を迫られているように思う(思想と活動の両面で)。2021/11/02
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