植民地朝鮮の民族宗教―国家神道体制下の「類似宗教」論

個数:
  • ポイントキャンペーン

植民地朝鮮の民族宗教―国家神道体制下の「類似宗教」論

  • 青野 正明【著】
  • 価格 ¥4,180(本体¥3,800)
  • 法蔵館(2018/11発売)
  • ゴールデンウィーク ポイント2倍キャンペーン対象商品(5/6まで)
  • ポイント 76pt
  • ウェブストアに1冊在庫がございます。(2025年05月04日 05時10分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●3Dセキュア導入とクレジットカードによるお支払いについて
    ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ A5判/ページ数 310p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784831855572
  • NDC分類 162.21
  • Cコード C3014

出版社内容情報

国家神道と相反するナショナリズムの受け皿となった植民地朝鮮の民族宗教が、国家神道体制下においてどのような位置にあったかを分析植民地朝鮮の民族宗教特有の終末思想を、「帝国」からの独立を志向する民族主義的なナショナリズムの受け皿として分析。「帝国」のナショナリズムとしての「国家神道」と、それにもとづく国民教化のシステムが植民地に移植される中、相反する位置にあった朝鮮の民族宗教はどのような位置に置かれたのか。農村社会の変動や自治運動の展開、著者による「帝国神道」論に即して考察する。

*************
 朝鮮の土着文化としては巫俗(ふぞく)信仰に加えて、弥勒の下生(げしょう)信仰に代表されるような終末思想が特徴的である。(中略)一九二〇年代において農村社会の変動にともない土着文化も変容したため、民族宗教からは一般的に私的領域=日常で巫俗的要素が多く見いだされる一方で、植民地支配に抵抗したり独立を目指して公的領域に浮上しようとする傾向も特徴となる。そのような時、その作用には「地上天国」建設や予言の地のような終末思想が大きく働いていて、それが民族主義的ナショナリズムの受け皿になっていると私は考えている。たとえば、民族宗教の中にはこの終末思想にもとづき、農村において「地上天国」建設を目指すような宗教運動を展開する団体も現れるのである。
 この「地上天国」建設のような終末思想が近代的な民族主義的ナショナリズムへと発展し、日本からの独立を志向する内容へと展開していったため、とくに一九三〇年代半ば以降に本国政府および朝鮮総督府が植え付けようとした天皇制イデオロギー(国体論)にもとづく多民族帝国主義的ナショナリズム(帝国日本において多民族を抱え込んだ中で日本人が頂点となる国民主義)と真っ向から対立することになる。(本書「序 章」より)
*************

序 章 国家神道体制と民族宗教・「類似宗教」
 一 植民地朝鮮の民族宗教とは
 二 国家神道体制の朝鮮への移植
 三 「類似宗教」概念とは
 四 朝鮮の終末思想
 五 本書の構成

第一章 農村における民族宗教の基盤
 第一節 農村での巫俗の変容
  (1)農民の没落と流民化
  (2)巫覡団体の組織化
 第二節 農村での契の自治的再編
  (1)村落における契の組合化
  (2)北部畑作地帯の状況
  (3)南部水田地帯の状況
  (4)北部・南部での民族宗教の基盤

第二章 朝鮮総督府の「迷信」概念と巫俗信仰
 第一節 三・一運動後の調査事業
  (1)旧慣制度調査事業の方針転換
  (2)「民間信仰」調査の開始
  (3)巫覡「絶滅」論の登場
 第二節 調査資料『朝鮮の巫覡』
  (1)調査方法
  (2)政策意図
 第三節 「巫子取締法規」の到達点
  (1)「タンゴル制」の発見
  (2)「巫子取締法規」制定の可否
  (3)「巫子取締法規」の到達点

第三章 朝鮮総督府の「類似宗教」概念と終末思想
 第一節 「類似宗教」概念の形成
  (1)警察犯処罰規則での規定
  (2)布教規則に見る「類似宗教」概念
  (3)「類似宗教」概念の変遷
  (4)「邪教取締」の模索
 第二節 調査資料『朝鮮の類似宗教』
  (1)調査方法
  (2)政策意図
 第三節 「類似宗教」の「解散」「改宗」
  (1)「邪教の徹底的取締」の開始
  (2)「解散」による迫害
  (3)白白教事件
  (4)終末思想に対する取締り
  (5)「解散」「改宗」への抵抗

第四章 天道教の「地上天国」建設
 第一節 朝鮮農民社の「郷村自営論」
  (1)「郷村ごとの農民団結」の視点
  (2)「集団農場」化の主張
 第二節 「郷村自営」運動の実態
  (1)平安南道孟山郡の消費組合
  (2)消費組合での「共同耕作」
 第三節 農民にとっての「郷村自営」
  (1)「村落自治」再編の試み
  (2)「農民社自主村」の誕生
 第四節 農村振興運動による受難
  (1)統制される契=組合
  (2)「郷約」復興策との相克

第五章 金剛大道の予言の地
 第一節 金剛大道の信徒村
  (1)「午中大運」の時代
  (2)信徒村の建設
 第二節 受難の予兆
  (1)満洲移民の要請
  (2)「改宗」のための甘言
 第三節 信徒村の受難
  (1)大量検挙による弾圧
  (2)信徒村からの強制退去
  (3)再び起訴される
  (4)洞穴への「避身」
  (5)信徒たちをつなぎ止めた「歌舞」

終 章 普遍性のある民族宗教論を目指して
 一 民族宗教運動の二類型
 二 論点の整理
 三 「改宗」協力の内実

巻末付録 金剛大道提供の写真
あとがき

青野正明[アオノ マサアキ]
著・文・その他

内容説明

「帝国神道」vs.「民族宗教」。植民地朝鮮の「民族宗教」特有の終末思想を、独立を志向する民族主義的なナショナリズムの受け皿として分析する。そして、国家神道体制が植民地に拡張されるなか、「帝国神道」(国体論)と対峙する民族宗教がどのような位置に置かれたのかを、南北両地域における民族宗教の基盤の相違を前提に、著者による帝国神道論に即して考察する。

目次

序章 国家神道体制と民族宗教・「類似宗教」
第1章 農村における民族宗教の基盤
第2章 朝鮮総督府の「迷信」概念と巫俗信仰
第3章 朝鮮総督府の「類似宗教」概念と終末思想
第4章 天道教の「地上天国」建設
第5章 金剛大道の予言の地
終章 普遍性のある民族宗教論を目指して
巻末付録 金剛大道提供の写真

著者等紹介

青野正明[アオノマサアキ]
1958年、愛媛県生まれ。大阪外国語大学外国語学部朝鮮語学科卒業。筑波大学大学院修士課程地域研究研究科修了、同大学院博士課程歴史・人類学研究科中退。博士(学術・国際日本文化研究センター)。朝鮮史専攻。現在、桃山学院大学国際教養学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

toiwata

4
植民地経営は、基本的にどう考えても無理があるという心持ちになる。経営するには人間を人間扱いしないで平気な神経が必要だし、植民地を失えば、それはそれで経済的に悲惨なことになる。(朝鮮半島でも、大本教弾圧のような史実があるのをはじめて知った。)2020/05/10

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/13209534
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。

最近チェックした商品