内容説明
宗教哲学の不朽の名著!ヘーゲルの精神現象学を駆使し、強靱な思索により、親鸞の“信”を解明した記念碑的論考。
目次
第1章 『教行信証』への通路(『教行信証』における方便化身土巻の位置;方便化身土巻成立の由来;正像末の史観と三願転入との関係)
第2章 三願転入の問題(三願に対する従来の解釈;その難点)
第3章 第十九願の解明(臨終現前の願;顕彰隠密の義;三心釈の顕彰隠密)
第4章 第二十願の解明(罪障の自覚;念仏申さんと思ひ立つ心;信不具足(第十八願への転入))
著者等紹介
武内義範[タケウチヨシノリ]
1913年三重県四日市に生まれる。46年京都帝国大学大学院文学研究科修了。京都大学文学部講師、助教授を経て、59年同大学文学部教授(宗教学講座)。マールブルク大(独)、コロンビア大(米)、ウィリアムス・カレッジ(米)の客員教授も勤める。76年京都大学定年退官、同大学名誉教授。76年愛知学院大学文学部宗教学科教授。77年紫綬褒章を受ける。88年愛知学院大学を退職。91年仏教伝道協会より文化賞を受ける。95年学士院会員に推挙される。2002年没
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感想・レビュー
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うえ
7
「明恵の立場に於ける菩提心は親鸞より見れば、一種の観念論であり、道徳至上主義である。それは未だ自己の現実に触れていない、自己の根源的な罪悪性を感受していない人の理想主義である…しかしかかる抽象的な当為が現実に対して無力であることは、明恵自身がヘーゲルの「不幸なる意識」そのままの矛盾に陥り、自己が現在に於いて佛法の体現者であるよりは、釈尊に対する想像もできないような烈しい思慕に生きまた遠く印度に渡って聖地を巡礼し心の渇を醫せんとしたことをもっても知ることができる」2016/03/09
Humbaba
0
優れた思想というものは単にその宗教の宗派の中でのみ通用するというものではなく、より広く一般的な思想の中においても普遍的な価値を持つ。ただし、優れた考え方であってもそれに対して不十分な解釈をしてしまえば、その価値を十全に発揮することはできない。だkらこあそこれまでの解釈では何が足りていないのか、どう考えるべきなのかということを示すことには価値がある。2025/09/27
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