出版社内容情報
まずはここから始めてみよう!
日本古代史に関する重要な内容を含みながらも、その複雑さゆえに扱いには困難がともなう正倉院文書。
その大部分を占める「写経所文書」を対象に、整理・復原の状況や調査ツール、基本用語など、読み解きに必須の知識と情報を丁寧に解説。そのうえで、研究活用の事例として写経事業と王権の関係を論究する。
研究を牽引してきた著者が、その熱き思いをこめて研究の実態・方法と正倉院文書の多様な姿を詳細に描き、後学への道を示しつつ、広大な正倉院文書の世界への第一歩をアシストする。
正倉院文書研究を志す多くの人々にとって、バイブル的入門書となっていた名作を文庫化!
■目次■
はじめに
第Ⅰ部 正倉院文書への招待
第一章 正倉院文書とは何か
1 正倉院文書の分類/2 正倉院文書の「整理」/3 正倉院文書を見る・調べる
第二章 写経事業にかかわる用語
1 写経所の変遷と写経事業/2 「造東寺司解」という史料
第三章 個別写経事業の進行
第Ⅱ部 写経所文書の世界
第四章 写経所文書アラカルト
1 「造仏所作物帳」をめぐって/2 写経生たちと文芸/3 紙あれこれ
第五章 写経と王権
1 聖武天皇の御体護持/2 聖武太上天皇の病気と死/3 光明皇(太)后と写経事業
むすび──これからの正倉院文書研究──
文献目録/図版出典一覧/あとがき/文庫版あとがき
索 引
※本書は2011年10月25日に、角川学芸出版より刊行された書籍の文庫版です。文庫化にあたって、本文に加筆訂正を施し、「参考文献」を「文献目録」と改め、内容を補訂しました。
-
- 和書
- 夏目家順路