出版社内容情報
瀧浪 貞子[タキナミ サダコ]
著・文・その他
内容説明
奈良東大寺の毘盧遮那大仏造立という大事業を成した聖武天皇は、本当に政治的意志を持たない「ひ弱な天皇」だったのか―。二人の女帝の期待を一身に背負い、天武天皇の血脈を嗣ぐ正統天皇として即位した聖武。その聖武を強烈な個性と政治力を発揮した「天平の皇帝」と捉え、皇帝たらんとした生き様に迫るとともに、その治世がいかなる時代であったのかを鮮やかに描き出す。長らく誤解されてきた聖武天皇像に見直しを迫った意欲作。
目次
第1章 不比等の孫
第2章 早すぎた父の死
第3章 女帝二代
第4章 聖武即位
第5章 武智麻呂政権
第6章 彷徨する天皇
第7章 治道の矢
第8章 三宝の奴
第9章 娘への遺言
佐保山南陵―むすびにかえて
著者等紹介
瀧浪貞子[タキナミサダコ]
1947年大阪府生まれ。京都女子大学大学院修士課程修了。京都女子大学文学部講師等を経て、1994年同大学教授。現在、京都女子大学名誉教授。文学博士(筑波大学)。専攻は日本古代史(飛鳥・奈良・平安時代)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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紫草
10
けっこうな厚さの文庫本で、細かく詳しくみっしり聖武天皇。通説とは違うところもたくさんあるらしく、そこのところはもうちょっと説明して欲しかったかな。それは違う、と言われてもそうなの?としか。わからないので。2024/03/23
ひろ
2
聖武天皇を描いた小説が意外と少なく、まずは学術書(?)から読んでみた。恭仁京、紫香楽宮と夢遊病者のように彷徨う天皇というイメージだったが、ある意味意志の強い天皇だった。大仏を建て、民衆に仏教を広めるきっかけを作り、後世に大きなものを残した。もう少し掘り下げてみることにする。2024/05/25