内容説明
インド人の思考法は、観察から法則を導き出す帰納法的思考であった。ギリシャ哲学の演繹法など形式を重んじる論証法に対して、事実に基づく論証法がインドでどのように展開したのか。その淵源を仏教の縁起の教えに見出し、東洋にも論理があること世界に知らしめた名著。
目次
第1章 インドに哲学はあるか?(インドの「哲学」;アーンヴィークシキー(哲学) ほか)
第2章 インド論理学の構造(インド哲学への歩み―神話から哲学へ;新たなる神話―業報・輪廻 ほか)
第3章 インドにおける討論の伝統(ウパニシャッドの神学的対話;第一の問答 ほか)
第4章 帰謬法―ナーガールジュナの反論理学(ナーガールジュナ;プラパンチャ―言語本能? ほか)
第5章 インド人の思惟方法―帰納法(ユークリッドとパーニニ;パーニニ文法学 ほか)
著者等紹介
桂紹隆[カツラショウリュウ]
1944年生まれ。京都大学大学院文学研究科修士課程修了。トロント大学大学院博士課程修了。1974年トロント大学PhD。1986年京都大学文学博士。2010年中村元東方学術賞受賞。広島大学・龍谷大学名誉教授。現、財団法人仏教伝道協会理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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