内容説明
高知県旧物部村に伝わる民間信仰・いざなぎ流―。中尾計佐清太夫に密着した、十五年にわたるフィールドワークによって祭文・法文・神楽、そして式王子の儀礼現場を解明した本書は、陰陽道、民俗信仰研究の現在をアップデートする。
目次
序章
第1章 「山の神の祭文」の世界―山のものは山へ、川のものは川へ
断章1 病人祈祷と「天刑星の祭文」
第2章 巫神祭祀考―修行する死者霊たち
断章2 神懸かりする神楽
第3章 神楽・祭文・呪術―「御崎様の祭文」と式王子
第4章 「呪詛の祭文」と取り分け儀礼―「法者」の世界へ
第5章 表のなかに裏あり―「天神の祭文」と天神法
補論1 「いざなぎ流」研究史の総括と展望―二〇〇六年まで
補論2 民俗学はいかに“歴史”を記述するか―小松和彦著『いざなぎ流の研究―歴史のなかのいざなぎ流太夫』を読む
著者等紹介
斎藤英喜[サイトウヒデキ]
1955年東京生まれ。日本大文学研究科博士課程満期退学。現在佛教大学歴史学部教授。専門は神話・伝承学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐倉
5
陰陽道や修験道、仏教など様々な信仰が混ざり合った高知の民間信仰であるいざなぎ流。祭文や法文という形で中世の信仰の姿を留めているそれを、儀式の流れとテキストの解釈という形で考察していく。祭文というものにあまり興味が無かったが、リズム感があって(この表現が正しいかわからないが)面白いものと思った。終盤まで研究、フィールドワークの発表という形で進んでいくのだが、最後になってそれがひっくり返る瞬間があったのが印象的。著者の自分は学者なのか、それとも太夫の弟子なのか…という葛藤は図らずも文学的に感じる。2022/10/24
ひい
0
みっちりぎっちり寄り添って、具体的にどういう儀式が行われるのかが解説されていて面白い。 祭文から信仰体系を紐解くのも興味深い。2023/02/10
Junko Yamamoto
0
日本人の精神世界が凝縮している民間信仰。美しい。2022/01/23
-
- 電子書籍
- J train (ジェイ・ トレイン)…