内容説明
生涯一所に住することなく、念仏の中に生きて遊行を続けた一遍。「南無阿弥陀仏決定住生60万人」の賦算は東国から西国の辺地に及び、念仏の声と踊躍は民衆に染み通っていった。教団も宗派も標榜せぬ一遍に、なにゆえそれほどの魅力があり得たのか。
目次
至高の思索者との出逢い(栗田勇)
この人・一遍(唐木順三)
僧と非僧と捨聖(柳宗悦)
一遍上人の念仏(古田紹欽)
一遍数学の実存的特質(河野憲善)
時衆の思想史的考察―その時間論を中心として(奥山春雄)
一遍聖の思想(浅山円祥)
一遍上人(瀬戸内寂聴)
小説・蒙古来たる(海音寺潮五郎)
生ぜしもひとりなり(紀野一義)
一遍聖人と遊行寺(橘俊道)
一遍と伊予(越智通敏)
一遍の風土(足助威男)
鼎談 聖の群れ(島津忠夫;村井康彦;守屋毅)
一遍―特に遊行回国の意味するもの(井上光貞)
一遍上人にあらわれた庶民性(堀一郎)
一遍の和歌と連歌(金井清光)
一遍滅後の時衆教団(大橋俊雄)
現代語訳 播州法語集(栗田勇)