内容説明
本論の要旨は、建築など空間造形に関わる職分の人々が、造形上二十一世紀の環境を形成していくうえで、そのプロフェッションとして、人間の環境を守っていく、もっといえば、より望ましい環境を形づくっていくための論理とその共通言語を提議するものである。この論理は過去の論理のように形式的、画一的で、強制的なものではなく、より自由で多様なものであること。それは作家個人が全体(いい換えれば人類)へ何らかのかたちで寄与しようという明確な意識(ベクトル)を持つことによって裏づけられるものであって、それによって表面的な形式や表現方法の規制は基本的に解除されて自由になる。
目次
第1章 論理へ(空間存在の意味;21世紀と環境造形;カオスか秩序か ほか)
第2章 意味と空間―個と全体の考察(空間模式図;個と全体のシステム;調和と美の概念および装飾について ほか)
第3章 手法へ―空間作用の分析と意味の空間化(空間とは何か;建築とは何か;SPACE・ELEMENT論 ほか)