内容説明
“加賀百万石”と謳われた前田家を藩主とする加賀藩では、当時の日本を代表する「頂上的知識人」も抱え、そこから領内に学習者が拡散していった。近世中期以後は社会の発展とともに、体制内で生きるさまざまな階層の知識人(儒者・医者・教育者等)が活躍するようになる。近世の日常を生きた知識人が、地方社会のなかでどのように活動したかということを、地道な新出史料の発見と人物の発掘を通じて考察した成果が本書である。
目次
序章 研究史と本書の構成
第1章 金沢城二ノ丸講書と加賀藩儒者
第2章 儒者金子鶴村と蘭学
第3章 蘭学と医者の遊学
第4章 蘭学医吉田長淑と大高元哲
第5章 金沢城下と能登の医者・医療
第6章 科学者遠藤高〓と職務
第7章 能美郡小松の教育と知識人
終章 頂上的知識人と加賀藩
著者等紹介
池田仁子[イケダトヨコ]
1951年生まれ。東洋大学大学院修士課程修了。博士(文学)。埼玉県川口市、岩槻市(現さいたま市)など市史編纂事業における近世・近代文書の調査や解読等に携わる。金沢市へ移住後、同市立中学校講師、同市史協力員、加賀藩寺社触頭文書調査員、鶴来町史執筆員(現白山市)、石川県立図書館・鶴来町立博物館の古文書講座等講師、加能地域史研究会運営委員、金沢城編年史料編纂協力員等を歴任。現在、金沢市立玉川図書館近世史料館にて古文書講座の講師と小松市史専門委員を兼務。金沢市文化政策調査員。専攻、日本近世史(医療史・生活文化史・思想史)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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