内容説明
中国の明清両王朝の皇帝による民衆教化の勅諭が近世日本の庶民にも普及した事象に注目し、東アジア世界で共有された道徳倫理の江戸時代における受容と変容について、書物・幕藩権力・地方知識人・メディアといった観点から詳細に分析し、さらに維新後の「教育勅語」に象徴される近代教育システムの確立と明清聖諭との関連性に踏み込み、民衆思想史研究の新たな可能性を切り開く。
目次
近世日本民衆教化研究の課題
第1部 日本における明聖諭の受容―「六諭」関係書を中心に
第2部 日本における清聖諭の受容―『聖諭広訓』を中心に
第3部 メディアからみる近世日本明清聖諭の受容
第4部 近代教育システムの成立と明清聖諭の受容
近世日本の民衆教化と明清聖諭
著者等紹介
殷暁星[インギョウセイ]
1985年、中国・重慶市生まれ。立命館大学大学院文学研究科人文学専攻博士後期課程修了。博士(文学)。現在、日本学術振興会外国人特別研究員(一橋大学)。専攻、近世日本思想史・東アジア思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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