内容説明
明治~大正期に活躍した女性活動家・遠藤清(1882‐1920)における自然主義作家・岩野泡鳴(1873‐1920)との同棲→結婚→別居→訴訟→離婚というライフヒストリーを通じて、両性関係の力学と相互作用を浮き彫りにし、さらに近代の家父長制社会でその家族を支える外部としての「女中」の存在に注目することで、女性の思想と実践を複眼的に照らし出す。
目次
第1章 「愛の争闘」前史
第2章 「新しい女」をつくる男と女
第3章 セクシュアリティをめぐる攻防―『愛の争闘』の虚構性の検討を中心に
第4章 女性解放論のなかのジェンダー力学―経済的独立論を中心に
第5章 「争闘」の小説をめぐるジェンダー力学
第6章 「家庭」のなかの階級―大正期フェミニストの「女中」雇用
第7章 恋愛結婚における妻の座―「新しい女」の同居請求訴訟
第8章 経済的独立論と“妻・母の権利”のはざま―「新しい女」の扶養料請求訴訟
著者等紹介
坂井博美[サカイヒロミ]
1975年生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。早稲田大学大学院文学研究科日本語日本文化専攻博士後期課程満期退学。博士(文学)。現在、大妻女子大学短期大学部・埼玉学園大学ほか非常勤講師。専攻は日本近現代史・ジェンダー史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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